転職しようと考える背景には切実な理由がある事が多い
転職を考えているということは現在の仕事に何かしらの問題を抱えている事があるはずです。現状に十分満足しているなら転職する必要はないので、転職をすることで現在よりも状況が良くなる前提で考えていく必要があります。転職をするのに年齢は関係ないですが年齢別に転職しやすい、しにくい業種もあります。年齢が高くなるとスキルの個人差も出てきますので上手に行動しないと失敗する可能性もあります。ここでは転職経験あり、人事担当経験ありの著者が転職のポイントを解説します。幅広い業種に使える考え方なので最後までご覧ください。
職場の問題点のうち最も許せないものを考える
まず知っておくべきこと、考えなければいけないのが客観的に判断できているのか自分はどの程度個人的な見解ではなくほかの会社と自分の会社が比較できるか、自分自身の問題点とか行動の中に原因が無いのかを判断できるかどうかが大事です。
仮に会社に問題があるなら会社を変わるほうが絶対にプラスですが会社は他社比較で悪くない条件なのに自分自身に問題があって状況に満足できないのであれば転職するのはリスクになります。なぜなら転職すれば多くの場合新しい職場では新人としてスタートしますから、自分自身の負担が大きくゼロから信頼を獲得していくのにも自分自身に問題があるとすれば相当な負担となってストレスに繋がってしまうでしょう。
自分自身が物事を客観的に見る事ができる前提で現在の職場で何が一番ネックなのか、何が一番未来にわたって問題になりそうなのかを考えると転職の指針になってきます。最も許せないこと許容できない事普段我慢してストレスになっている事を解消できる転職になるでしょう。
転職したい理由のトップは人間関係と報酬ギャップ
2020年アンケート代行会社を通じて1000人の社会人（年齢層25歳～50歳）に転職をしたい理由、転職をした理由に関してWEBアンケートを行った結果、上位だったのが職場での人間関係、報酬に関する不満でした。人との関わりに悩み、お金に悩んでいる方が多いのです。これらは立派な転職理由になることですが特に仕事をする目的の一つがお金を稼ぐ事なので、そこに不満があると転職が現実的になってきます。
どの職場でもある程度の人間関係の問題は潜んでいますが転職すべき状態は仕事が履行できない状態になるような人間関係の悪化です。成熟した人間が集う職場では例え何かしらの感情を持っていても業務上はそれを出す事無く遂行するものです。しかし中には気に入らない事があると子供のように反発したり和を乱したりする人もいます。職場全体の雰囲気が悪くストレスになるという事もあるでしょう。人間関係は一定の個人の性格の癖があるので合わせる事も必要ですが、業務に支障が出るかどうかを判断基準にすると間違いないです。自分が精神的に苦しくて業務が進まないという場合も転職を考えるべきです。
給料は仕事をした対価なので全く同じ仕事内容で同じ都道府県なら大幅に他社比較で変化はあまりないのが一般的です。しかしこうした比較でかなりの報酬の低さを感じるなら転職をするほうが報酬が上がる可能性があります。仕事内容が現在と同じ程度なら報酬が高いほうが良いですが、内容が異なっていたり残業や休日の条件が悪かったりすると転職するほうが肉体的に厳しくなることもあるので報酬アップ目的で転職をするなら、転職先のことを十分把握してから行動するほうが転職リスクを減らすことができます。収入アップ目的の転職は求人に書いてある情報だけを見てしまうものですが実際に転職してみたら違う業種に配属されたり、内容がハードだったり上司がパワハラ気質だったりして人が定着しない職場だったりして求人の条件を他より良くすることで人材を集めようとしているケースもあります。
人間関係の問題は自分が元凶でない限り変えられない
多くの問題のある職場では限りなく繰り返されている事なのでネット上でも情報が溢れています。職場で人間関係で悩む人たちは、自分自身が原因となっているケースは少ないものです。多くが既に入社した時点で出来上がっていた社内、部署内の人間関係の状況に巻き込まれて疲弊しています。
仮に自分自身が社内で元凶となって仕事がしにくいなら理由は簡単で転職して心機一転するだけだし、社内の現存の人間関係に苦しむのなら、そこから出れば解消されるので転職すべきでしょう。人間関係は自分に問題がある場合に限っては同じく転職しても問題が起こる可能性が高いですが、転職をきっかけにして自分の問題点を改めるなら良い方向に進む可能性もあります。この場合転職せずに改善を模索する事も考えられますが転職を実際にした人の理由の上位にもなっているので個人的な理由がある時は無理をせずに環境を変えたほうがストレスでダウンしてしまうよりも良いと考えられます。
給料アップを目指すならここをチェックしてから
仕事をした対価として得られるのが給料なので自分が処理した業務に「見合っていない」と感じるなら転職したほうが良いかもしれません。例えば介護職で夜勤ありのフルタイムで非常に苦しいストレスの中で無理をして頑張っているのに対価をもらっていないと感じるような場合だと転職を考えたほうが良いのです。同業他社で人材不足に陥っている業界なら特に報酬の高い条件の良い会社は多くあるので、見合った報酬を出さない会社で我慢する必要はないでしょう。
求人を使って新しく就職先を探すときに注目すべきは現時点で許容できない部分です。求人を見る時に「どうせなら条件が凄く良い所に」と考えてしまうと転職先探しが難航してしまう可能性が高まります。転職をするときには現在の会社での問題点をできるだけ絞り、それを解決できるようにすることが優先です。
転職をするときに最も問題と感じている点を解決することを意識すれば失敗が少ない理由は、転職を考える時に給料以外に新しい業種にチャレンジしてみようとか、異業種のスキルを付けようとか考えてしまう事で、それまでの経験がクリアされたり、自分と合わない業種にあたってしまって転職後に苦労するという事があるためです。現在の業種を一切捨てようと考えるなら良いですが過去に経験が豊富なら類似した職種に転職するほうが条件比較もしやすく経験も活かせて失敗が少ないでしょう。
気になる年齢による考え方のシフト方法はどうすれば良い？
年齢は転職で無視できない要素です。昨今は20代でも抜群のスキルをもつ若者も増加し、60代でも非常に優れた能力を持つ人も増えたので年齢による比較や分別は不要かもしれないですが、広い視野で見れば年齢的に精神的にも無制限では無いのも現状です。
建築関連の現場、交通整理の現場、工場での作業など安全面と体力を要する業種であれば年齢的に体力が劣ると採用されにくい事もあります。現実的に高齢層なら採用される枠が少なく業種も限られてくるため、フルタイムでの転職は10代～50代が現実的です。
10代～30代なら全く未経験の業種をゼロから学ぶのも可能、40代以上ならそれまでの経験を活かして活躍するという方が多くなっていて現実に採用する企業も即戦力を求めている場では年齢はあまり大きく関係していません。この場合即戦力となって動けるスキルを求められるのでそれまでの経験や実績が力になります。
30代以上の転職はその後30年を見越して行うほうが良い
30代以上の転職をするときに10代20代との違いは働ける時間の制限です。現在30代後半なら残り20年～30年程度を視野にいれ、現在の年齢が40代50代なら短期の就業になる可能性も出てきます。短期で集中的に稼ぐのか、安定して働くのか個々で様々な考えがあるはずですが30歳以上の転職ではその後に再度転職をしなくて済む会社に転職する意識が大事です。そういう意味ではできるだけ転職前の業種と同じか、少しは関係がある業種にしておくと失敗しにくいでしょう。
現在の仕事が嫌になって全く同じ事をしたくないという場合でも多少過去の経験が活かせる仕事にしておけばスムーズに転職先で活動しやすいです。例えば次のような仕事が関連性のある仕事です。次の表は重なる仕事がある業種です。スキル自体は違ってもわからない部分を補ったら対応できる可能性が高いです。
| WEB系 | 営業系 | 事務系 | 接客系 |
| デザイナー | テレアポ | 経理事務 | ホールスタッフ |
| ライター | 営業部署 | 受付事務 | 飲食スタッフ |
| ディレクター | 店舗営業 | 医療事務 | 受付スタッフ |
例えば10代なら全く違った業種に飛び込んでも無駄な時間を過ごすとしても余裕があるでしょう。しかし40代50代だとしたらある程度の経験があるのでそれを活かすほうが賢いし、何よりも新しい職場でできるだけ早く適応できるほうが自分自身も楽です。年齢を重ねていくと精神的な落ち着き、耐久性が上がる事が多いですが、ストレスに強くなるわけでもないので体力の低下も考慮すればできるだけ無駄な労力、ストレスを感じずに対応するには関連性のある職場を選ぶほうが良いです。
関連性のある仕事で現状を変えていく転職
過去にオフィス勤務で一般事務の経験が長いなら同じくオフィス系の仕事がベストです。事務系の場合だと同じエリア内だと大幅な給料差は無いものですが、プラス5万円～10万円程度なら仕事内容によって見込めます。例えば飲食店でのキッチン経験、料理人経験があるなら他店の新規オープン求人を探す等同業で探すと給料アップが見込めます。
専門職として在籍していたなら強みなので（社内WEBディレクター、エンジニア等）他社でも同じ専門職での転職が有利です。こうしてできるだけ過去の経験が活かせる関連業種で収入アップを目指すほうが良いです。
人間関係の悩み、社内、部署内で不快な思いをするなら転職が解決する方法です。自分が原因ではない事、自分の思い込みではないこと、自分以外の環境を変えたいなら転職をすることで一気に関係性が絶たれます。LINEや電話等の繋がりを切ればその時点で終了です。人生は自分のものなので環境のせいで不快な人生になっているなら転職を考えても良いでしょう。この場合は現在と同じ程度の給与額を意識しましょう。面談の時点で社内の様子を見て過去のような人間関係の悪化が無いかどうかを確認する事も忘れずに。
